インテリアと言えばソファ
日本では、ソファというと背もたれや肘掛にクッションがつき、すわり心地がよく、休息性の高い長椅子のことと定義づけられます。しかしこのソファという言葉、外国ではニュアンスが微妙に違っていて、日本ではソファの一言でまとめられてしまうものでも、外国では別の呼び名があったりすることをご存知ですか?
<イギリス>イギリスは、日本とほぼ同じニュアンスでソファという単語を使います。ソファの単語の語源は、アラビア語のsuffahです。これは、ラクダの鞍の上に敷くクッションという意味があります。昔、アラブで長距離を移動する手段はラクダでした。でも長い間ラクダの上に座っていると、お尻が痛くなって皮がむけてきてしまいます。そのため、お尻の痛みや皮むきを防ぐために、ラクダに乗って長距離移動をする場合はクッションを鞍につけることが一般的でした。この鞍につけるクッションのことを指す単語が、ソファの語源となったsuffahというわけです。またイギリスでは、ソファというと3人以上の多人数が座れるもののことを指します。2人掛けのソファはセッティ(settee)と呼ばれます。セッティは18世紀頃に主流だったソファのことですが、19世紀に入るとソファの方が圧倒的な人気になってしまったため、セッティは徐々にそう呼ばれなくなっていきました。ちなみに、イギリスでカウチというと、寝椅子のことを意味します。精神分析医が精神分析の際に使うような、背もたれの部分がソファの半分程に低く、ひじ掛けの部分は頭や首を乗せられるように高めに作られているソファのことです。日本では、イギリスのカウチにあたるものは、デイベッド(daybed)やシェーズロング(chaise longue)と呼ばれることもあります。つまり、ソファは座るものに対して、カウチは寝るものだったということです。
<アメリカ>アメリカでソファが指すもののことは、カウチ(couch)と呼びます。特に北米を中心に使われる言葉で、その語源は、古フランス語のcoucheにあります。coucheとはベッドのことを指している単語です。またアメリカでカウチというと、主に2人掛けのもののことを指します。2人掛けのソファ、つまりカウチのことは、ツーシーターと呼ぶこともあります。そして3人掛け以上のものは、カウチと区別してソファと呼びます。またセッティも、ソファと同じように3人以上の人が座れるクッション性の高い椅子のことを指しまが、あまり使われていません。
<フランス>フランスでは、ソファのことはカナペ(canape)と呼びます。フランスのカナペも、アメリカのソファと同じく3人以上の人が座れるもののことを指しています。
<その他英語圏の一部>一部の英語圏内では、ソファのことをダヴェンポート(davenport)やチェスターフィールド(chesterfield)と呼んだりします。これは、ソファを作っている家具会社の名称だったのですが、それがそのまま一般的に定着してしまった呼び名になっています。
このように、国によってソファの呼び名は異なるのですが、すべてそれが国ごとに統一されているかというと、それにも微妙に違いがあります。ですから、ソファと呼ばれるものはどんなものだという基準は各国で明確にされているというわけではなく、なんとなくニュアンス的に2人掛けだったり3人以上掛けだったりするものをソファと呼んでみたり、時には2人掛けのものもソファと呼んでみたりするのです。ですから、2人掛けのものをソファと呼んだから間違えてしまったということではありません。おそらく、それでも十分に意味したいことは通じるはずです。
なお、ソファと一緒にそろえるものにオットマン(ottoman)があるのですが、これは英語圏内の呼び名です。世界にはオットマンに似た品もあって、それはディヴァン(divan)と呼ばれるものです。これはもともとペルシャ語のdevanが語源となっていて、それがトルコ語のdivanに代わり、ディヴァンになりました。正確にはオットマンよりも一回り小さめなのですが、使い方はほぼ同じと思って間違いはありません。